発売日 | 2016-11-01
今月号の木造特集では、改めて木の多様性を感じ、その端々に現代の問題に応える可能性があると思いました。たとえばつくる現場では、昔ながらの大工仕事が行われる一方で、CADにより複雑なプレカットにより複雑な加工ができる。流通や生産では、大量に海外で製材し、安定供給するメーカーもあれば、岡山県真庭市のように、域内にある木材を使い、バイオマス発電やCLTの生産をして、ゼロエミッションを試みる地域もあります。後者の試みは、日本の地方が自立できるひとつの方法となるかもしれません。現在、都心で木造の積層建築をつくるために、耐火や耐震、CLTのような素材の可能性が探られています。しかし、軽やかさも木の特徴なら、その建築を動かしてみたら、と考えてみる、隈研吾さんのトレーラーハウスのような発想もあります。大きな課題のまわりに、いろんな可能性があります。
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