音が住宅設計の大きな要因になることがあります。
当初、この住宅の敷地は、恵まれた環境で難点がないのではと思いました。ところが建て主さんと会話を交わしていて聞き取りにくい時があり、それは数十メートル離れた幹線道路を疾走する車のせいだということが分かりました。
そのため、それらの音から生活を守るため、東南に開いたL字型の間取りにし、音をさえぎるべく車庫が南西端部に、オーディオルームが西側に居間を守るように配列し、玄関側1階には窓を設けませんでした。

他の特徴としては、ご主人好みの、レコードラック付きシアター兼用オーディオルームです。床をベタ基礎まで下げることで屋根全体をいじらず高い天井高を確保しました。

その他に深夜電力活用の蓄熱ヒーターをベタ基礎に仕込んであります。設置費は高めですが日頃の暖房光熱費は灯油でもかないません。又、北側に浴室等を配しているので南北の風を通すために、居間の隅に通風戸を設けています。

キッチンは食品庫を囲むようにL字型の対面式とし、家事導線に配慮しながらも家族を感じられるキッチンとなりました。

音は生活に大きく影響します。
気になることがない住まいづくりは、土地の周辺環境をよく観察することから始まります。