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株式会社 結設計
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応急仮設住宅
いつやってくるか、わからない天災。
コロナ禍での避難生活は、さらなる命の危機に直面することでしょう。
一刻も早く仮設住宅を用意する必要性に備えて、私たちはこのような建物を提案しています。
仮設住宅でも、解体後に廃材とならず再利用できる無垢材パネルからなる地域県産材を利用した建物です。これは、建築が廃材の排出や化石燃料の消費等で環境に負担をかける存在でしかない中に、十数年前から、設計行為が環境に資するとすれば、二酸化炭素の固定以外ありえない、という考えに至ったなかから、木材を貴重材としてではなく、用材として扱い、大量に使用することで二酸化炭素の固定をはかり、森林のケアを生業としている、林業の活性化に貢献する建築です。
岩手県山田町と宮古市で建てた応急仮設住宅は、このFSU工法で建てました。
応急仮設住宅に要求される価格、それと性能や広さの基準はある程度決まっていて、設計者が関与できる要素は少なく、デザイン等で私どもが心がけたのは、特異な形状ではなく、普通であることで安心感を与え、惨めさを感じないようにすることでした。全体的にかなり経済的に出来ていつつも、無垢の柱材の連続の壁はある意味贅沢なことでもあり、その意図は多少叶えられているのではないかと思っています。それより私たちが関与する意味は、設計やデザインもさることながら、今回は建築を生業とする者としての、建築部材を再使用できる工法の提案にありました。それをなんとかできたのが今回の事例です。
この環境負荷の少ない建築としてFSU工法は、一般住宅でも採用しています。
その他設計 | 藤原 昭夫
種別 | 新築
構造 | 木造
予算 |