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unit-H 中村高淑建築設計事務所
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田奈の家
[所在地]
神奈川県横浜市

[敷地面積]
133.82m2(40.48坪)

[延床面積]
93.64m2(28.32坪)

[竣工]
2003年12月

[作品解説]
敷地は南側傾斜の恩田川左岸丘陵地にある。ここからは遠く富士山や緑が多く残る田奈の景色を一望できる。決して広いとはいえない空間にどのようにしたら広がりや開放感を与えることができ、豊かな空間やそれに結びつく生活を創出することができるのか。それにはこの絶好のランドスケープを取り入れることを核にした空間構成にあると考えた。そこで、計画は絞り込んだエントランス空間から外部を引き込んだリビング空間に移動させることで、より大きな開放感と広がりを感じさせるという構成にした。

ファサード/建物正面
ここには半透明のガラスを用い、玄関ホールで動く犬の姿や、階段を昇降する人の姿など、中で生活する人の気配を感じることができるようにしたが、これには2つの意図がある。
1つ目は、人の気配を感じない無愛想な建築ではなく、人が住んでいるという表情を映し出すことにより、建築や住人を地域と柔らかく結びつけること。そして2つ目は、中に入り景色に対峙した時の感覚を増幅させる為に、意識をファサードに集中させて、その先に広がる景色の気配を感じさせないことである。

絞り込まれたエントランスホール
より大きな開放感を与えるために、ここでは圧縮した空間を体感させている。
収納をホールに張り出させる構成や、対面する植栽の存在で視線を内部から外部へ誘導したりすることは、空間を絞りつつも奥行きを出す効果がある。
また、階段下部がコンクリートによって形成されているのは構造上の点によるものであるが、結果として意識を下(大地)へ結びつけている。このことは上階に移動した時に感じる浮遊感を得られているのではないかと感じている。

開放的なリビング空間
眼前に広がる景色や高い吹抜けは、この空間に入るまでの行為によってより広く、より高く感じると考える。そしてこの切り取られた景色と一体となった空間で生活をすることは、豊かな感性や穏やかな人間性を育むものになるのではないだろうかと考える。
Data

一般住宅設計 | 中村 高淑

種別 | 新築

構造 | 木造

予算 |

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