[ 作品解説 ]
街の中の大きな庭園付敷地である、既存の庭を保全しながらの計画である。従って建物の配置は2方向の道路があるにも関らず自然にアプローチ方向が決定された。職業柄来客が多いことが予想され内部空間は大きな居間・食道・仕切りのない畳コ-ナ-を中心に和室が連なり平面的にゆとりある開放的構成で、時には和室を仕切り、そして食堂とは大きな障子により仕切ることができ、急な来客に対しても便利であるという多様な生活様式に調和している。開放された内部からは庭園との一体感を得る、とりわけ食堂からは移植された庭木で設えた東側の中庭をガラスブロックとサッシのワイドな組合せ窓から望むことが出来、静かな別の雰囲気が展開する。何れの開口部には障子戸がついている。又将来のバリアフリー対策として通路、水廻り等のスペースに余裕のある造りになっている。建設費用は地域のアイデアを出して抑えた住まいにして欲しいという要望がありました。所要室が少ない、材料・工法の工夫等(あくまで性能を落とすことなく)、更にスケ-ルメリットの理由により割安にできている。