[ 作品解説 ]
三方が雛壇状の造成地に囲まれ、東側1.3mの高低差に擁壁が設けられ午前中の日当りが得難く、西から東に上り勾配の前面道路で敷地にレベル差がある。周辺環境に木造の軒下空間と開放的な庭園とが統合して道路沿いに快適な雰囲気を創出して馴染み楽しく暮らす全体構成をイメ-ジした。車庫、玄関、駐車場へ夫々レベルに応じてアクセスする。居間前庭と駐車場間のレベル差に目隠しスクリ-ンとして煉瓦グリルグロックを設けている。西側の車庫の間の中庭は祖母の前庭用と又ポ-チに繋がる庭として手入れされている。南東にLDを配することで朝の内は北東の台所側の隣地間から日射を得る、それ以降は終日トップライトで奥深いLD間の丁部に採光を得て、全体が明るく開放感があって家族の集まる象徴的場所である感じさえする。又全体が家族の将来に至るライフスタイルに柔軟に対応する空間構成になっている。南面の大きな開口部と長い軒は年間の日射を障子戸の開閉、ブラインドの操作でコントロ-ルする。又温熱環境対策をしっかり講じ自然素材の活用と自然エネルギーのパッシブ利用によりランニングコストを抑制しながら快適な生活をする。そしてCO2の排出削減、ライフサイクルコストの効果を得て長く住み続けることが大切である。


2008「エコ・ハウスコンテストいわて」大賞