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株式会社PROCESS5 DESIGN 一級建築士事務所
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LUCKY Open Factory
[ 所在地 ]
山梨県甲府市湯田2-10-12

[ ロケーション ]
郊外

[ 延床面積 ]
1222m²

[ 竣工年 ]
2013年

[ 施工者 ]
HUG TOKYO ティグラ 菱熱工業 和光電気ニッセー防災

[ 作品解説 ]
企業と地場産業の歴史を整理し体感するオープンファクトリー

古くから水晶の産地として日本の宝飾産業で大きな役割を担ってきた山梨県。
現在も日本のジュエリーの1/3を製造し、沢山の宝飾関係の企業で賑わっている。
今回のプロジェクトのクライアントもこの山梨県でジュエリーのデザインから製造までを一貫して行っている歴史あるジュエリーメーカーである。

クライアントからは一般の方々にジュエリーの製造過程を見てもらえるようにしたいと求められた。
そこで私たちは製造過程を見せるだけではなく、この企業の歴史を感じて頂くことと、実際の製造現場を娯楽的に楽しむだけでなく、もの作りをもっと身近に感じて頂く場所にする事を提案した。

ジュエリーの製造は大きくは、「デザイン」→「原型」→「ワックス」→「鋳造」→「仕上」の5つの工程に分かれている。この工程の中で私たちは非常に魅力的で貴重な素材を発見した。
デザイナーが描いた「数万枚のデザイン画」
職人が一つ一つ手作りで作り上げた「4万個以上あるジュエリーの原型(金型)」
量産に使用するシリコンで作られた「数万個のゴム型」
これら莫大な数の素材は普段は人目に触れる事のない場所に保管されていたが、企業の歴史を物語り、他に真似をすることのできないものである。

私たちはこれらを整理し各々の特徴を生かした見せ方を施した壁で空間を構成する計画とした。
具体的には、
「数万枚のデザイン画」は代表的なデザイン画を選びパネル化しドローイングウォールとして壁一面を埋め尽くした。
「4万個以上あるジュエリーの原型(金型)」はキャンディー棒のようなその形状を利用し、壁面に沢山の穴を空けそこに差し込むことで4万個の原型(金型)で埋め尽くされた壁面とした。
「数万個のゴム型」は書籍棚のような棚板を用意し、そこへ積み重ねて保管する壁面とした。
このように企業の歴史とジュエリーのトレンドを物語り、これからも増え続けるジュエリー製造に欠かせない素材の数々を用いて企業の歴史、ここで働いてきた作り手の歴史、数十年におけるジュエリーのトレンドをお客様に感じてもらえることを提案した。
またこれらを実際業務でも使用することで工場と見学通路の隔たりを曖昧にし、見学に来られたお客様と作り手との距離を縮めることを意図している。

長い時間の中で生み出されたジュエリー製造に欠かせないこれら素材は整理され、
新たな表現の仕方を施す事で職人の手の後が残り荒々しくも美しく輝き始める。
LUCKY Open Factoryと名付けられたこの施設はその名の通り、お客様と職人が同じ場所を共有し隔たりのないまさにOpenなFactoryとして、この企業が歩んできた歴史と地場産業である宝飾産業の歴史を体感することのできる場所となる。
この施設が企業のブランディングの一端を担うと共に、地場産業である宝飾産業の活性化に繋がると考えた。

[ オフィシャルサイト ]
http://www.lucky-factory.jp/
Data

その他設計 | 武田憲昭×吉澤生馬

種別 | リフォーム・リノベーション

構造 | 鉄骨造

予算 | 1億5000万円

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