21,844view
有限会社 アーキヴィジョン
1,271view
208外断熱の家
[ 作品解説 ]
208(ツーバイエイト)外断熱の家という言葉の響きからすると、何かテクニカルなことをことさら強調した家のようにも思えますが、当初の設計方針である天然木に包まれて、ローコストで、尚且つ構造形式が単純なスタイルの家・・・・を作る上で、結果的にこの形式になったと思ってください。
平面的には、5メートル×11.4メートルのシンプルな長方形です。妻方向の耐力壁を構成する間柱は2×4、桁行き方向が2×8の間柱で、一部を除いて石膏ボードは張らず、この2×8の間柱をそのままにして、すなわち構造材のままスッピンにして仕上げとしています。普通は目に見えるところに無垢の木を張ったりしていい感じに仕上げるのですが、どこかのコマーシャルにあったように「何もたさない、何もひかない」の感覚です。そのまんま東、いや違った、そのまんま見たし・・・・であります。
設計の段階では仕上げが無いわけなので、単純に仕上げ分のコストが省かれるだろうと思っていましたが、いざ工事に入ると、石膏ボードで隠れないため、納まりに神経を使わなければならないところが案外多く、実際のところ手間取りましたが、ツーバーフォーの実績豊富な工務店の技術力で各部位ごとに解決していきました。特に注意した点は、頭つなぎからスタッドへの釘打ち、それに外壁の構造用合板からスタッドへの釘打ちです。釘がずれて打たれないように、墨出しをきちんとやり、かなり時間をかけて打っていました。施工中、注意を払わず釘を打ってしまうと、そのまま釘が見えてしまいますので、ここは建方大工に特に神経をつかってもらったところです。
そうこうして躯体が組みあがりますと、外壁の構造用合板の外側に硬質ウレタンの断熱材を張って、通気胴縁そしてガルスパンでフィニッシュです。外断熱通気工法で、内部が天然木というか、構造表しのシンプルな住宅の完成です。
1階と2階の石膏ボードを張ったところでメインになるところは、オーナーと奥様に珪藻土(エコクイーン)をコテで仕上げていただきました。当初、業務分担は半々とされていたようですが、オーナーが仕事でお疲れのようでしたので、奥様にがんばっていただきました。これが職人顔負けのうっとりした、やさしい味わいのある仕上げとなりました。
設計 | 小堺 文彦
種別 |
構造 |
予算 |