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有限会社 木鶏建築研究所
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4/4 HOUSE
[ 作品解説 ]
4/4HOUSE(Y邸)は、1991年に雲仙普賢岳噴火に伴う災害を受けた長崎県島原市内に計画された。この島原市は、古くからの歴史を感じさせる島原城や武家屋敷等が保存された城下町であり、その市の南部に位置する計画地は、北西側に雲仙普賢岳の一部をなす眉山を望む閑静な住宅街の中にある。
30歳代の若い御夫婦と子供が二人の四人家族の専用住宅として計画された。外観は、建て主の要望もありモダンでシャープな矩形のデザインとしながらも、地域性を考慮した県産木材や石を多用し、時代性と地域性の両立を考えたデザインとした。メインの通りに面する東側の二階部分を一部キャンティ構造とし、その形状を正方形としたことで、力強さとモダンな印象が、この建物の外観デザインを決定づけている。また外観のカラーデザインは、お城や城下町のあるこの地域の歴史性や地域性を考慮し、N系の高明度と低明度の二色を用い、周辺環境との調和を図り、同時に明度の差によるメリハリをつけた洗練されたシャープなイメージを演出している。さらに敷地周辺の目隠しスクリーンに木材用い、これをY、YR系の低明度、低彩度に着色することでも、地域の景観デザインとの調和を図っている。
内部空間のプランは、採光や使用動線を考慮し、機能的で陽当たりのよい空間となっている。特にキッチン等の水回りや、収納に関しては、奥様の意向を汲み、最短・最適な動線と充分な収納量を確保している。またこの地域特有の冬場における眉山からの吹きさらしの北風を考慮し、北側には開口部をあまり設けていない。内部仕上材は、シナ合板や珪藻土等を多用し、他の素材もシックハウスに対する検討も行った素材を使用している。内部のカラーデザインは「やすらぎ」や「憩い」のイメージから、壁はY、YR系の高明度、低彩度の色彩を基調とし、アクセントカラーとして、飾り壁等でY、YR系の低明度、低彩度の色彩を用い、高級感を演出している。床はフローリングや畳を使用し、部屋の用途によってフローリングの色相をを変え雰囲気を変化させている。天井は寝室や和室を除き、統一して無彩色の白を基調としている。寝室は床、天井をY、YR系の低明度、低彩度の色彩を用い、間接照明による演出等、ホテルライクな雰囲気を演出している。
照明計画は、タスクアンビエントな計画を行うと同時に、間接照明を多用することで、日中とは異なる雰囲気を演出し「やすらぎ」や「憩い」の空間を創造している。

第1回「建築九州賞」(07年度) 佳作作品
Data

設計 | 高橋 浩伸

種別 |

構造 |

予算 |

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