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TENK/テンキュウカズノリ設計室
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路地を通る家
『東大寺の参道には、南大門を通り大仏殿へと向かう表のアプローチと、若草山の方からお水取りで有名な二月堂を経て大仏殿の裏手に続く裏のアプローチがある。広々として開放的な表の道とは異なり、この裏参堂には見え隠れする路地の魅力が溢れている。』それが「路地を通る家」の始まりである。道路から敷地へ足を踏み入れると、路地に導かれながら引き寄せられる。その中にはいくつかのアプローチをつくり、そこに到るプロセスが異なれば印象は大きく変わる。人は立ち止まり、いくつかのアプローチに戸惑い、向きを変えたりすることによって光、風といった自然の動きなどを感じ、立ち止まった刹那に様々な想いが交錯しながら時間と空間を楽しむと同時に出会いを控えた緊張感さえ漂ってくる。そして、アプローチをズラすことにより方向を示唆し、視線や方向が操作され足元の段のリズムが少しずつかえられることでゆっくりと歩みを取り、徐々に建築や自然の表情、人の想いが変化し展開してゆく。
一般住宅設計 | 天久 和則
種別 | 新築
構造 | 木造
予算 |