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西海の家
[ 作品解説 ]
敷地は、広い土地で竹林と山に囲まれている緑豊かな場所でした。そこは、空の広がりを感じ取れるような場所でもありました。この空間は、屋根と壁といった2つの要素によって組み立てて作られています。屋根の形は、傘を逆さにひっくり返した様になっています。
おおらかな暮らしがしたいというクライアントの要望にこたえるように、広い土地と広い空に、とても大きい傘を差すことから計画を始めました。傘の形状は、とてもプリミティブで合理的な構造体です。傘は、雨から場を守りながら、とてもおおらかで大きな空間を生み出します。しかしながら、傘を差した時には傘の外側の気配を視覚的に感じ取りにくくなってしまいます。この計画では、傘を逆さにするという操作を加えることで、大きな空間を確保しながら、外部の自然の空気感を最大限に感じ取ることができるようにしました。壁は、風車状に配置してあります。風車は、風が吹くと廻り始めますが、その現象と同じように、空間の中を歩くと周りの風景が内部に入り込んでくるかのようです。住人は、どこにいてもこの場所の自然の姿を感じ取ることができ、空での雲や太陽の動き、季節ごとの周囲の緑の移ろいや風の動きを感じとります。そして、ここで暮らす中で自然と共にあることの豊かさを見つけだしていってくれるはずだと信じています。
2008 INAX DESIGN CONTEST 入賞
2009 JCD DESIGN AWARD(100選) 入選
設計 | 前田 大輔
種別 |
構造 |
予算 |