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atelierFISH
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TKH
[ 作品解説 ]
初めて届いたメールは、随分と丁寧な文章に仕上がっていた。そのメールには、高校の後輩だと言うこと、結婚し家を建てるに当たって敷地の選定からお願いしたいとが書かれていた。しかし、その選定基準は、非常に緩い絞り込まれていないモノ。市有地の売却情報の良さそうなモノは現地へ足を運び、色々と考えを巡らせる。いくら名案が浮かんでも、抽選にはずれてしまえばどうすることも出来ない。一つとして同じモノがないのが土地。新たな土地が出るたびに、色々と設計条件が変わってくる。それを繰り返すうちに、クライアントの本当に大切にしていることが浮き彫りになってきた。土地の資料だけでファイルが一冊終わろうとしたとき、建て売りを建てる為に開発された一角に建築条件を外す事が出来る敷地があると情報があり、敷地を見に行った。そこは、震災後駐車場として長く利用されていた所。そこに建て売りが8棟建つよう区画割りされていた。その中で道路の角切りで敷地が6角形になり、そのうち5辺が道路境界線となる敷地を選んだ。今までいくつも予行演習を繰り返してきただけにその土地に決めるまでに時間は必要なかった。ただ一つ、何度も行った予行演習時には無かった新しい条件が生まれた。七ヶ月後に新しい家族が一人増えることになったと・・・。
一般住宅設計 | 山下誠一郎 山下真未
種別 | 新築
構造 | 鉄骨造
予算 |