[ 作品解説 ]
神戸の東、芦屋との市境に近い場所に、震災の次の年に出来た駅から徒歩5分、90坪程の土地に新しいタイプの賃貸集合住宅を計画する。世の中の殆どの賃貸集合住宅は、ワンルームタイプのモノかファミリータイプのモノしか存在していない。ワンルームタイプのものは、殆どが学生か社会人に成り立ての人たちで埋め尽くされ、その殆どが容積いっぱいに出来るだけたくさんの戸数を計画し、戸数×周辺平均家賃が収益という前世紀からの数式で解かれた結果が反映されている。またファミリータイプのものは、殆どが平均1世帯の人数を満足するという観点から2LDK以上の間取りで構成されている。このどちらにも所属していない学生でも社会人成り立てでもない一人もしくは二人暮らしの人がいったいどんな暮らしを望んでいるのかをリサーチし計画した。 その結果、家族構成や方角からの間取りではなく、住む人のこだわりを実現出来る場を設ける事にした・・・。