[ 作品解説 ]
「小さな家」というコンセプトで建築した狭小住宅。
若い建築主にとって、土地も狭く建物も小さいが「大きな夢のすまい」である事に違いはない。
平面図では表れない高さ方向を活かし、度重なる打ち合わせとコミュニケーションで施主と設計側のアイディアをこの家に凝縮させた。
白を基調とする事で光が乱反射する明るい空間を得、1階のほぼ全てを高い天井で繋げ、1つの大空間を創り出し狭さの克服を試みた。外部と繋がる全開放サッシュやこだわりの白いキッチンが、
空間をより魅力的に結びつけ、部屋の広さ感を演出している。建物のボリュームを最大に活かす2階のロフト空間は、子供と旦那の絶好の遊び場となり、各部屋から簡単にアクセスできる大きなバルコニーは、成長し続ける家族や、遊びに来る友人の為に用意。すべての空間が繋がりフレキシブルであることが小さな家のテーマと利点である事に気づかされた棲まいである。 このシリーズでは、コンパクでありながら色や光、開口部の位置や天井の高さなど、人間の五感を味方につける事で狭さを感じさせない「気持ちの良い家」ができるのではないかと考えている。