[ 作品解説 ]
路地奥旗竿形の狭小敷地であるが、マンション暮らしであった建主からは1階を主空間とし、庭のある接地性の高い家、全体がワンルームのような明るく風通しのよい家を要望された。
北側斜線が厳しいことから、1階北側に天井の低い和室や水回りを配し、その上部のスキップした中2階に寝室、その上に子供室を配置した。
トップライトからの光が降り注ぐ吹抜けを中心とし、家全体が見通せる断面構成である。
自然素材を用いたいとの要望から、床や框は無垢の国産栗材、壁はドイツ漆喰とラワン合板、浴室は青森ヒバ、和室は桐や檜、造作材はタモ、本棚等にはホワイトバーチを用いた。特に、家族の中心空間となるキッチンのカウンターは、ブロックの上にタモ一枚板から加工したものを原木のままの形状で用いており、食事以外にも家族が集う家の中心となっている。