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矢橋徹建築設計事務所
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新屋敷の家
佐賀県唐津市に建つ木造2階建ての住宅。敷地は鏡山と虹の松原に挟まれた住宅地の中にある。
敷地周辺に目を向けると同規模の土地が並び、それぞれに木造2階建ての住宅が建っている。
そこには一定の規模と密度を保ったいわゆる住宅地特有の緩やかな連帯感が漂っている。
敷地南方に屹立する鏡山の展望台からこちらを見下ろすと、唐津湾、虹の松原、田畑、住宅地、国道202号線、鏡山と重なるレイヤー状の構成がこの街の風景を形成していることがわかる。すなわち、向こう三軒両隣に漂っている暗黙のルールに従うことは、街全体の風景の形成に参加することに繋がるのだ。この住宅は、切妻2階建ての母屋に平屋の下屋が取り付いた、極めてオーソドックスな構成をとっており、灰色の外壁とあわせて、街並みの中で際立つことなく、「住宅地らしさ」を維持するよう配慮をしている。その一方で、住宅を構成する各エレメント(窓、壁、屋根など)の取扱いに少しずつ「ずらし」を施している。スケールアウトした外部吹き抜け、開口部が変態してできた外部ニッチ、立面に変化を与える書斎横の掃き出し窓、見付けを抑えた各部のディテールなどがそれに当たる。このように日常性を保つ暗黙のルールを守り、街の風景の大きな骨格を小さく支えつつ、同時に随所に日常とは異なる新しい様相を紛れ込ませる。そういった少々アンビバレントな状況を作り出すことを目指して計画した。
Data

一般住宅設計 | 矢橋 徹

種別 | 新築

構造 | 木造

予算 |

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