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富谷洋介建築設計
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T字路の家
長く住まわれた二棟の既存住宅の建て替えを依頼頂き、二世帯住宅の計画をスタートしました。

周囲も長く住まれている方の多い街区において、建て替えというのは新しい時代への更新の一つであり、当然新しく家族にとり様々な面でより良くなるものでありながら、また街に対しても良い影響を与える存在であるべきと考えています。

敷地は都市部に程近い住宅地であり、T字路の先に位置していました。前面する道路からだけでなく、直行する道路からの影響を活かす空間を考えました。

市街地の住まいでは大きく風景を得ることは難しい場合が多いですが、道路の上部は将来的に遮られることの無い開放的な目線の抜けを確保できることから、道路に意識を伸ばせる空間を各所に設定しました。

廊下を歩く際、LDKで過ごす際、また階段を登り切った際に道路方向へと目線が抜ける位置に大きな開口部を設け、建物内にありながらもいつも開放的に気持ちよく過ごせることを考えています。

2階への階段を上がると曲面した壁が道路へ向かう大窓へと目線を導き、視界が遠くへ開け、道路と街並み、空を捉えます。

二世帯+大きなユーティリティースペースを持つこの建物全体ボリュームは、道路に対し奥に長い敷地に対し定石通り道路側を全面庭や駐車スペースを配すると、採光必要室が奥に固まり万遍ない日射取得が難しくなるため、南角を駐車スペースとして建物形状をL形とすることで多くの居室に自然光を存分に採り入れられる配置としました。

各空間が個別な用途にふさわしい内部空間を検討し、1階では犬と共に暮らすことから、抜け道や小屋型の犬スペース、素材の耐久性と共に動きのある楽しい空間を考えました。既存住宅の際にも犬を介し近隣住民との小さなコミュニティとなっていた道路際を同様に使われる事を考え開口部を決定しています。

2階のLDKは天井高さを高く広々と空に浮かぶような開放的な空間とし、グリーンのカーペットの造作ベンチを配し、人々が集う広場のような場所をイメージしました。

T字路から視界を望む住まいは、住と職、また家族のあり方、街との関わりの中、多くの用途と未来を内包できるおおらかな場所となってくれることを願い設計しました。

写真 酒井 広司(グレイトーンフォトグラフス)
Data

一般住宅設計 | 富谷洋介

種別 | 新築

構造 | 木造

予算 |

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