藩政時代に大洲藩の船奉行が置かれ、港町として栄えた歴史を持つ町、大洲市長浜。
約250坪の敷地に計画された、平屋の住宅である。
施主夫婦の生活空間はもちろん、4人のお子様家族が帰省した際にも機能することが要求された。

余裕のある敷地を生かし、各居室と一体となる、雰囲気の異なる庭を5つ配置している。
また、あまりに強い地域コミュニティとの繋がりあいから、庭と家族の親密な空間を確保するために、
前面道路からはそれらが見えないよう計画した。
各居室は庭に対する開放的な開口部を設け、光に満ちた空間となっている。
一方で、それらを繋げる廊下部分は開口サイズを意図的に小さくし、ほの暗い空間とすることで
住宅内で明るさの対比がうまれるよう意図している。

広い―狭い、明るい―暗いといった空間を対比的に設計することで、使い方や人数に応じた空間を
選択することができ、状況に応じたいきいきとした生活の場を提供できればいいなあと思いす。