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西和人一級建築士事務所
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木の下のマテリアル
住宅に限らず沖縄県の建築物はコンクリート造で築かれたものが圧倒的に多く、全体の8割を超える。石川県では冬の大雪の中での生活を念頭に置くのと同様に、沖縄県では大型の台風の存在が常に脳裏を過る。コンクリート造の多さの根底にはその事が由来しているのであるが、度重なる打合せの中から、冷たい印象を受けるコンクリート造の中に、木造の持つ柔らかさ、しなやかさを積極的に取り入れた建物とすることが掲げられた。具体的には1階をコンクリート造、2階を木造で建物を構成している。2階の天井を積極的に木の表し仕上げとし、吹抜けを介することで、1階からの楽しい見上げ空間が期待できるし、大きな吹抜けは心地よい上昇気流を生み、暑さのこもりやすいコンクリート造の弱点を和らげる。コンクリートも打放し仕上げとする事で素材感が強調される。木造空間も十分な耐力を確保するよう、シンプルでバランスの良い平面・構造計画とした。違う素材の特性を巧く混ぜ合わせてあげる事で、過酷な環境の中でも、十分楽しく快適な住まいは形成できると考えている。
一般住宅設計 | 西 和人
種別 | 新築
構造 | 混構造
予算 |