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大角雄三設計室
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大山の家
この住宅の特徴は、圧倒的に豊かな自然環境の魅力を
圧倒的に美しくとりこめる「可動式外壁」にあります。
自然のなかでの建築の一般的な解答は、大開口の窓をとることでしょうか。
しかし、それは自然の厳しい環境に室内をさらすことになる危険もはらみます。
硬質なガラスの質感は室内環境と外部環境を明確に分けざるを得ない
近代建築の大きな問題です。

視覚的な自然とのつながりだけでなく、
風の冷たさや音、光の色や温もり。そんな外気を触感的にも
室内にとりこむ、ゆるやかな内と外の関係性を生み出す事が「可動式外壁」により可能になっています。

自然の中で、趣味を楽しめるような終の住み家を望んだ建て主のため
につくられた木造住宅です。既存の雑木林を極力伐らなくて済む位置に、
総2階建ての建物を配置し、ガラスのスリットの入った黒杉板で全面
を覆っている。その内側は、縁側空間を介して、ほぼ全面に複層ガラ
スの木製建具を使った空間が広がる。

開閉出来る黒杉板と、縁側の緩衝空間と、木製建具という
三つの要素によって、” 重ね着” をするように空間構成を変えられるため、
季節や気候に応じて、快適な環境に調整出来る。

以上の事によって施主からいただいた二つの条件をクリアしました。
一つは、厳しい寒さから室内環境を快適に守ること。ただし機械設備に頼らない。
二つ目は、室内に居ながらにして、美しい外部環境を取り込むこと。
ただしプライバシのために全てをガラス張りなどにはしないこと。


この2つの施主の要望をクリアする「重ね着をする住まい」は
閉じればあたたかく、開け放って両サイドに仕舞こめば
大開口パノラマを獲得でき、二階に設けられたリビングからは樹上生活が楽しめます。

Data

一般住宅設計 | 大角雄三

種別 | 新築

構造 | 木造

予算 |

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