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スタジオ クランツォ 1級建築士事務所
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記憶の家
所在地 兵庫県たつの市、
ロケーション 郊外
敷地面積 295㎡
延べ床面積 148㎡
竣工年 2012年
施工者 (株)昭和工務店
敷地を歩き回り、遠くから眺めてみたり、太陽の動きを観察したり、
風や光、周辺の音、匂い、川面の色、木々のざわめきや枝葉の様子など
この土地の風景を作るものを探した。
暫く眺めていて軒が低くうずくまるような建物を作ろうと考えていた。
南側に走るバイパスの騒音は風向きが変わると、有無を言わさず
建物に飛来する。その騒音を無理に遮断するのではなく、
敷地南端に設けた「蛇籠とコールテン鋼」の塀と低い軒の平屋で
緩やかに逃がしてしまおう。
そして建物のカタチはこの家の家業であった醤油醸造の建物を
彷彿させるものにしたい。都会生活からこの地に戻ってきた施主ご家族に
「伝統や記憶」といった匂いをどこかに感じさせることが出来るかもしれない。
玄関木戸を開け風が流れた後、通り土間の向こうには水田の青臭い苗の匂いが
仄かに満ちているかもしれない。居間の濡れ縁の先にある小さな庭の上には
青い空が一面に広がるに違いない。
ストーブ(薪)、漆喰、荏胡麻油、蛇篭、耐候性鋼板(コールテン鋼)
一般住宅設計 | 山口 是彦
種別 | 新築
構造 | 木造
予算 |