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設計事務所4D-WORKS
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くるら戸田
沼津市戸田(へだ)地区は、西伊豆の根元に位置する周囲を山に囲まれた海辺の小さな集落である。海の幸や史跡、温泉にも恵まれた風光明美な景勝地ながら、地形に起因する交通アクセスの悪さから伊豆の他の観光地と比べて良い意味で垢抜けていない、穴場的な風情を持った土地柄である。「くるら戸田」は地元住民の活動・防災拠点であると同時に、街の交流人口を増やし魅力を発信するための観光拠点として計画され、道の駅に登録された。集客施設として求められる商業的な逞しさと戸田の魅力である素朴さや慎ましさとのバランスに腐心しつつ、シンボリックでありながら節度のある賑わいの場として自然に街へ溶け込むよう検討を重ねた。
敷地が戸田の玄関口に位置するため、来街者のアクセス方向に正対するよう建物を斜めに配置した。屋内外の一体利用も可能なオープンなファサードや、出入口を極力限定しない面的な動線計画により、賑わいを街へ拡散させることを目指している。観光案内・物産販売・展示・温泉・庁舎・地区センターなど用途は多岐にわたるが、地元住民・外来者といった利用主体を踏まえてゾーニングし、相互の干渉や多様な賑わいが生まれるよう、全ての用途を中央の交流ロビーに面して分散配置したわかりやすい構成としている。
設備的な特徴としては、太陽光発電や雨水利用、各種省エネ器具の採用に加えて、かけ流し温泉の排熱を床暖房の熱源として利用するとともに、源泉や温水の昇温に還元するシステムを導入している。
公共施設設計 | 大古田 健一
種別 | 新築
構造 | 混構造
予算 |