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澤村昌彦建築設計事務所
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KaleidoscopeⅢ
松山市内の中心から少し外れた住宅地に位置します。周囲には所々田園が広がり、三方を道路に面する敷地は約100坪と余裕がありますが、前面道路が抜け道になっているため、車の往来はひっきりなしといった状態です。
施主からの要望は、「コンクリート造でスタイリッシュに住みたい」でした。提案したのは中庭を取り囲んだコートハウス。家の真ん中に大きな中庭を設置し、それに沿うように道路からアプローチする露地を設けました。中庭と露地、この空間と前面の大きな壁により、周りからの視線をカットし、車道からの騒音を遮断。内部に静かな空間を実現しています。また、8mのキャンティレバーで持ち出されたこの大きな壁はランダムにガラスのブロックが埋め込まれ、建物内部にグリーンのきれいな光を届けます。
LDKは中庭に向ってガラス張りの大開口を設け、大きく張り出したキャンティレバーの屋根が覆います。そこから中庭に面するお母様の部屋、そしてこの建物の大きなセールスポイントでもある奥様のピアノ室へと続きます。ピアノ教室をされている奥様の念願の防音室は二重壁仕様のスタジオで、d65~d70の遮音性能を目指して友人に音響監修を依頼しました。ピアノ自体の振動が部屋全体の振動へと受け継がれ、より一層ピアノの音が増幅される仕組みになっています。もちろん外部からはささいな生活音程度にしか聞こえません。
2階の各居室にはテラスを設け、前面の壁が廻りの視線を遮るように配置しています。
外観はカレイドスコープシリーズに共通する杉の本実型枠打ち放しに積層ガラスのブロックを埋め込み、化粧型枠打ち放しとのコントラストで全体を引き締めています。
温暖な松山でのリゾート感覚な生活と、エッジを利かせたシャープな建物。
一般住宅設計 | 澤村昌彦
種別 | 新築
構造 | 鉄筋コンクリート
予算 |